「アフターコロナの成長産業と衰退産業」

~この時代を乗りこえる 転職のポイント と 必要な資格 とは~

しっかりしたリサーチが必要不可欠です。職場環境や勤務条件を確認して、自分に合った企業を選びましょう!

「成長産業6選」

それぞれの業界について、なぜ伸びることが期待されるのか順番に解説します。

IT業界

IT業界は、特に伸びることが期待されます。

人間の頭脳をコンピューターで再現する「AI」、機器をインターネットに接続する「IoT」など、昨今では新たなテクノロジーが次々と生み出されています。こうしたテクノロジーを生み出し、日本社会の発展を後押ししているのがIT業界です。

家電製品やWebサービスなど、私たちが普段利用している多くのものはITによって実現しています。また近年、ビジネスにITを組み合わせる「クロステック」も注目されています。今やITが日本社会にとって欠かせないことを考えると、今後さらに発展する可能性は高いでしょう。

インターネット広告業界

IT業界の発展に呼応するように、インターネット広告業界も今後伸びていくと考えられます。

昨今ではスマートフォンやタブレットの普及によって、インターネット広告が身近なものとなりました。SNSやブログはもちろん、「YouTube」のような動画共有サービスでも、多くの広告がユーザーの目に入る時代です。こうした背景から、ビジネスでもWebマーケティングが当たり前となっています。

新たなテクノロジーが登場すれば、さらにインターネット広告も多様化するでしょう。結果として、インターネット広告の重要性もより高まり、業界全体も盛り上がっていくと予想されます。

エンタメ業界

エンタメ業界も、今後の発展が期待されています。

2020年以降に感染拡大した新型コロナウイルスの影響で、多くの時間を自宅で過ごす方が増えました。それによって、自宅で気軽に楽しめる動画やゲームなどのエンタメが注目されているのです。昨今では「Netflix」や「Hulu」など動画配信サービスの需要が高く、今後も伸びていくでしょう。

またテクノロジーの発展によって、「VR(仮想現実)」や「AR(拡張現実)」などの高度な技術を活かしたゲームも増えています。自宅でさまざまな体験が味わえるこうしたゲームも、さらに盛り上がっていくことが予想されます。

農業業界

人間の暮らしに欠かせない農業業界も、今後の発展が期待されます。

地球の人口は増え続けており、食糧不足の懸念が世界中で高まっています。そんな中で見直されつつあるのが、農業業界です。昨今では、農業にITを組み合わせた「アグリテック」も普及しています。例えば、ドローンを用いた農薬の自動散布によって、農業従事者の負担を大幅に削減することが可能です。

昨今ではライフスタイルの多様化にともない、地方移住して農業を始めるようなケースも増えています。アグリテックがより身近になれば、農業に抵抗を持つ人も少なくなり、さらに盛り上がっていくでしょう。

医療業界

需要が高まり続ける医療業界は、今後も伸びることが期待されます。

「超高齢社会」を迎えて久しい日本では、今も高齢者が増加し続けています。新型コロナウイルスの感染拡大によって、医療業界の需要拡大はさらに加速しました。医療業界でも人材確保の動きはあるものの、需要拡大に追いついていないのが現状です。

そんな中で、昨今では特にヘルスケア産業が盛んになっています。自らの健康状態をチェックできる「スマートウォッチ」の普及が一例です。現状の医療・介護制度に不安を抱える方も増えており、健康の維持・増進につながるヘルスケアの重要性も高まっています。結果として、医療業界はさらに盛り上がっていくでしょう。

EC業界

EC業界も、今後より伸びていくことが期待されます。ECとは「Electronic Commerce(電子商取引)」の略であり、簡単にいえばオンラインで商品やサービスを販売する仕組みのことです。

経済産業省の報告書によると、物販系ECの市場規模は2013年からの7年間で約2倍にも拡大しました。さらに昨今では、新型コロナウイルスの影響によって日本国民の在宅時間が増加しています。自宅で簡単に買い物ができるECの需要は、これからも拡大していくでしょう。

また、スマートフォンの普及によってECを利用しやすくなったことも大きな要素といえます。今後もデジタル化が進みECの需要が高まっていけば、EC業界も盛り上がるでしょう。

「衰退産業5選」

これから伸びる業界があれば、当然ながら衰退する業界もあります。これから衰退が懸念される業界は、主に次の5つです。

それぞれの業界について、なぜ衰退が懸念されるのか順番に解説します。

テレビ業界

華やかなイメージもあるテレビ業界ですが、今後は衰退することが懸念されます。

懸念を生み出している大きな要素は、動画の普及です。昨今ではNetflixなどの動画配信サービスが普及し、ドラマや映画、アニメなどを手軽に視聴できるようになりました。また、YouTubeであれば無料で視聴できるうえに、膨大な動画の中から好きなものだけを選べます。

こうしたサービスは、好きなタイミングで好きなものを見られるメリットが大きく、テレビと比べて自由度が高いのです。動画と比べて番組の選択肢が少なく、時間の制約も大きいテレビの需要は低下しています。「国民生活時間調査2020」によると、1日にテレビを見る人の割合は2015年からの5年で約6%も減少しました。

出版業界

昨今ではスマートフォンやタブレットが普及し、インターネットで簡単に情報収集ができるようになりました。またメディアも多様化しており、好きなWebサイトを選んで情報収集することが可能です。

手に取らなければ情報収集できない紙媒体は、Webメディアと比べて不便に感じる方も多いでしょう。今や若者の中には、「SNSが情報収集源」という方も少なくありません。書籍や雑誌などの紙媒体を扱ってきた出版業界が生き残るうえで、電子書籍などへの移行が鍵となるでしょう。

アパレル業界

アパレル業界は時代の変化に大きく影響を受けており、衰退が懸念されています。

店頭での販売がメインとなるアパレル業界は、オンライン化が難しい業界といえます。洋服は実際に目で見たり試着したりしなければ、購入の決断がしづらいためです。新型コロナウイルスの影響で外出の機会が減ったニューノーマル時代に、店頭販売だけで売り上げを確保することは容易ではありません。

ただし、依然として高い業績を上げている大手アパレル企業も一部ながら存在します。二極化が激しい業界でもあり、低価格志向などのニーズに対応できるかが今後生き残るためのポイントとなるでしょう。

金融業界

安定感が高いイメージのある金融業界も、今後の衰退が懸念されています。

金融業界には、さまざまな懸念材料が存在します。「マイナス金利政策」の導入によって、収益の減少に直面している金融機関は少なくありません。また、新型コロナウイルスなどの不安が大きいために、投資に慎重になる方も増えています。

さらに、金融にITを組み合わせた「フィンテック」の普及も、金融業界にとっては向かい風となります。従来は銀行の窓口で行っていたことも、昨今ではスマートフォン1つでカバーすることが可能です。こうした変化が今後も続けば、金融業界の雇用は減少することになるでしょう。

士業

高収入のイメージがある「士業」も、今後の衰退が懸念されています。士業とは弁護士や税理士など、名称の最後に「士」とつく職業全般のことです。

弁護士の「六法全書」に代表されるように、士業では厳格に決められたルールに従うことが求められます。いい換えれば、人間の感性に左右される部分がそれほど多くありません。そのため士業の仕事は、AIを始めとしたテクノロジーに業務を奪われることが懸念されているのです。

実際のところ、書類作成といった事務作業のオンライン化が進み、士業の仕事は減少しています。これからの時代に士業が生き残っていくためには、AIに代替されない付加価値を見出す必要があるでしょう。

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これから伸びる業界を判断するポイント

これから伸びる業界は何?判断するポイントと衰退する業界も解説

これまでに11種類の業界について解説しましたが、それ以外にも業界は数多く存在します。さまざまな業界を選択肢に入れるのであれば、これから伸びる業界の判断ポイントを押さえておきましょう。具体的には、下記の4つがポイントとなります。

AIに置き換えられない業界

新型コロナ後も伸びている業界

生活に密着した業界

生活に密着した業界

各ポイントについて、順番に解説します。

AIに置き換えられない業界

AIに置き換えられない業界かどうか確認しましょう。AIで代替可能な作業が多い業界だと、AIの発展にともなって仕事が減少するリスクが高まります。具体的には、下記のいずれかに当てはまる業界は、AIに代替されにくいでしょう。

人間の感性が重視される

人との関わりが重視される

例えば、個人の感性に大きく依存するデザイナーの仕事をAIに代替することは困難です。また、患者を直接サポートすることが求められる介護士も、AIに置き換えられるリスクはまずありません。

新型コロナ後も伸びている業界

新型コロナウイルスの影響は、感染が収束した後も少なからず残ることが予想されます。例えば、リモートワークのメリットを体感した企業の多くは、収束後もリモートワークを継続していくでしょう。

つまり、新型コロナウイルスの影響下でも伸びている業界は、その恩恵を継続的に受けられる可能性が高いと考えられます。例えば、デリバリーサービスのように「巣ごもり需要」を満たせる業界は、今後さらに伸びていくことが期待できます。

生活に密着した業界

生活に密着した業界、つまり生活になくてはならない業界は、今後も衰退するリスクが低いといえます。人々の食生活を支える農業業界はもちろん、暮らしに欠かせないインフラ関係の業界もこれに該当します。同様に、交通機関や警察の関係職種も、生活に密着した仕事です。

生活に密着した業界は、なくなったときの生活への影響が計り知れません。需要が拡大するとは限りませんが、需要がなくなることは考えにくいでしょう。

高齢者向けのサービスのある業界

日本の高齢者人口が増加し続けていることで、高齢者向けサービスも成長が期待されます。「みずほ産業調査」によると、2025年には高齢者向けサービスの市場規模が100兆円を超える見通しです。

そのため、日本人口の多くを占める高齢者向けのサービスがある業界は、今後伸びる可能性が高いでしょう。医療・介護業界はもちろん、高齢者のニーズに合った娯楽サービスなども成長が期待できます。

「これから伸びる業界に必要な資格」

これから伸びる業界への転職を考える場合、下記3つの資格を取得するのがおすすめです。

IT系の資格

会計の資格

英語の資格

IT系の資格

これまでの内容からもわかる通り、さまざまな業界においてITの活用が進んでいます。よって、IT系の資格を取得しておけば、役に立つ可能性が高いでしょう。

特におすすめは、国家試験で知名度の高い「情報処理技術者試験」です。幅広いITの知識を証明できる資格で、スキルレベルに応じて試験区分が分かれています。IT初心者であれば「ITパスポート」、ワンランク上を目指すのであれば「基本情報技術者試験」がおすすめです。

会計の資格

どんな企業にも欠かせない会計の知識やスキルは、価値が高いといえます。そのため、会計の資格を取得しておけば、幅広い業界で活かせる可能性が高いでしょう。

具体的には、「公認会計士」や「ファイナンシャル・プランニング技能士」などが代表的な会計の資格です。難易度が高い資格も多いものの、取得できれば自分の経験やスキルに大きく価値をプラスできます。

英語の資格

伸びている業界ではグローバル化が進み、多くの企業が海外に進出しています。英語の資格を取得しておけば、グローバルな人材であることをアピールできるため転職に有利です。

国際的な英語力を証明するのであれば、「国連英検」がおすすめです。ライティングスキルをアピールするのであれば、「日商ビジネス英語検定」が適しています。また、「TOEIC」や「GCAS」などの試験でハイスコアを目指すのもよいでしょう。

これから伸びる業界で働くときの注意点

これから伸びる業界で働く場合、下記の2点に注意しましょう。

災害やトラブルで変わる場合がある

職場環境が理想的かどうかはわからない

予測できない災害やトラブルによって、状況が変わる場合があることに注意が必要です。実際のところ、新型コロナウイルスの感染拡大により、衰退した業界もあります。同じように、これから大きな変化が生じることがないとはいい切れません。

伸びることが期待されていた業界であっても、こうした変化によって衰退することは考えられます。過度な心配はよくありませんが、心にはとどめておきましょう。

職場環境が理想的かどうかはわからない

これから伸びる業界というだけで、安直に企業を選ぶのは危険です。同じ業界であっても、職場環境や勤務条件などは企業によって大きく変わります。全ての企業が、自分にとって理想的な職場環境であるとは限りません。

まとめ

これから伸びる業界・衰退が懸念される業界を中心にお伝えしてきました。転職や起業の成功率を高めるのであれば、これから伸びる業界を選ぶのがやはり賢明でしょう。新しい業界で活躍したい方は、今回の内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。

ただし、別業界への転職を考える場合は、業界選びだけでなく企業選びも大切です。自分に合わない企業に転職すると、結局のところ離職につながることもあります。しっかり企業研究をしたうえで、自分に合った企業を選びましょう。